出来事と話題

日々のニュース、出来事からいろいろと考えてみましょう

カナダ政府が使い捨てプラスチック製品を全面的に禁止

f:id:anmor1:20190611174104j:plain

photo http://switch-box.net/

スターバックスの「ストローやめます」報道から

使い捨てプラスチック製品による環境悪化問題が、EUでも日本でも

世界中で急浮上していますね。

そんな中でも「2021年から全面的に禁止」と

政府が指針を明確に表した国はおそらく初めて。

 

<参考記事>

カナダがプラスチック禁止 2021年から、使い捨て製品 - 産経ニュース 

 

EUよりも先駆けて「使いません宣言」に踏み切ったのは

「カナダやるなー!」って感じですね。

 

記事の写真でもあるとおり海岸におびただしい量のプラスチック製品の

残骸が打ち寄せられていますね。

これらは海中にも浮遊しているのでウミガメなどの海洋生物が

誤って飲み込み、消化機能障害を起こし、最悪は死に至ります。

 

プラスチックは紫外線や波などの影響でしだいに粉細されますが

動植物のように分子レベルまで分解されて自然に帰化することはなく、

海底や魚の体内などにも蓄積され続け、

さらに微生物の健全な活動も妨げ、生態環境を確実に崩壊へと導く

極めて深刻な環境問題です。

 

もちろん海に囲まれた日本でも議論が高まっていますし、

この問題が進行することの恐ろしさは重々解っているはずですが、

そこが日本の奥ゆかしさ?ではなくて、複雑怪奇なところですね。

なかなか「プラスチック禁止」の決断には至らず、完全に先を越されています。

 

もし「全面禁止」となると、まずネックになるのは来年のオリンピックですね。

これまでとは比にならない外国人客が押し寄せ、飲み食いをしますから

容器やスプーンまで禁止にされたら飲食業界から

「対応し切れるわけないだろ!」と猛反発されることは明らかです。

 

オリンピックを除いても、プラスチック製品の各メーカーは

事業転換や廃業を迫られるわけですし、

もし全てを紙製品に置き換えたら紙資源だって不足、高騰するでしょう。

飲食店にとっても営業効率が下がったり、コスト負担が増えたりします。

 

政府から見てこれらの企業は、毎年莫大な税金を納めてくれる大切な

「お客様」でもあるので、あまり無茶な政策を強行して

ご機嫌を損ねることができないのです。

特に選挙前などのタイミングでヘタに口を滑らせるとあっという間に

天地がひっくり返ってしまうので、

できれば当り障りなくスルーしたい時期なんですね。

 

ところで日本の借金問題もよく話題になりますよね。

一部では「日本人や企業の資産が多いから大丈夫」とか言われますが、

政府はなんとか借金を少しでも減らしていける方向にしたいことは

変わらないわけで、何らかの政策を検討している段階で

常に「納税者・有権者の顔色」や「目先の財源」を気にしないといけません。

 

これこそ日本がいろんな問題で出遅れている、

または置いて行かれている原因の根源だと思うのです。

目先のこと、選挙のことで手いっぱいで

なかなか根本的な問題解決に着手できない、

その結果、借金もプラスチックも増え続けているというわけです。

 

個人レベルでもまったく同じことですが

もし借金がなければ、どこに引越してどんな仕事をしようが自由なわけです。

借金を背負ったとたんに引越せない、会社を辞められない

という定番のパターンに落ち着くわけです。

こうなってからあれこれ考えても、なかなか身動きができません。

 

日本に限らず、長い「過ちの歴史」の中で、

時代の節目には必ず「変革と犠牲」を伴って、

人類はようやく「共存・共栄」の道を見つけつつあります。

 

これからも時代や環境が大きく変化しようとしている時に

将来を見据えた勇気ある舵取りができなければ

「次世代に残す」どころか、いつかこの国は氷山にぶつかって

本当に沈没してしまうのではないかと思うのです。

 

それでもまだ「借金問題は大丈夫」と言えますか?

まだ使い捨てプラスチックをやめませんか?