出来事と話題

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原因は警備体制の問題ではなくSNSによる情報拡散と危機意識のない行動です 韓国群集事故

photo ゆきだまさん https://www.photo-ac.com/profile/1940769

10月だけで死者100名を超える群集事故が立て続けに3件も発生しました。

   1日 インドネシアサッカー場でサポーターがピッチに乱入、鎮圧しようと

    警察が催涙ガスを使用し場内はパニックとなり131人が死亡

 29日 ソウルの梨泰院でハロウィンを前に集まった群衆が狭い路地の坂の上に

    密集したことで転倒が連鎖し圧迫、呼吸困難などで156人が死亡

 30日 インドで補修工事を終えた吊り橋に加重制限の約4倍の人が乗り、

    支えるケーブルが切れて橋が崩壊、132人が死亡

 

上の3件とも発生の状況と、事故の最終的な引き金となった要因は異なりますが、

人が100人集まると、重量で中型トラック並みの6トンと、馬30頭分のエネルギー

があり、これが理性と秩序を失って暴走すると、とんでもない危険な状況と

なることが容易に想像できます。

 

過熱化しすぎたサッカーファンによる混乱は以前からも問題視されていました。

もし私たちがスタジアムで混乱に巻き込まれたらどうすれば良いでしょうか?

催涙ガスも行き過ぎとは思いますが、慌てて逃げようとせず、スタンドの一番

上段に避難してなるべく群集から離れて沈静化を待つのが最も安全です。

 

吊り橋は世界各地にあります。主に自然豊かな景勝地、観光地に多いです。

必ず重量または人数制限が決まっていますので、管理者や注意看板の指示には

必ず従って下さい。

軽率な行動はあなた一人の命の問題ではなく多くの他人を巻き込む事になります。

 

過去にはもっと大規模な事故もあります。

 1990年 イスラーム教徒がメッカへ巡礼に向かうトンネル内で群集事故

     1,426人死亡

 2015年 巡礼に集まっていたイスラーム教徒がメッカ郊外で群集事故

     2,181人以上死亡

 

群集事故 - Wikipedia

 

昨今、日本でも大きな問題となっている宗教やマインドコントロール

いかに私たち人間の冷静さ、理性、危機意識を麻痺させるか、これほど大きな

事例があるにも関わらず悲劇が繰り返されるのは、人類の進化と同時に増え続け

絶えることのないストレスや不安の裏返しとも言えます。

 

ソウル市内で発生した事故の真相とは何でしょうか。

ハロウィンというだけなら10万人もの人が同時刻に殺到する事は

なかったでしょう。

「これを事前に想定して十分な警備体制をとるべきだった」とメディアなどで

主張する人がいますが、全く的外れな後講釈です。

 

真相は、若者に人気のスターが「〇〇に来る」という情報がSNSを中心に

拡散したと言われています。

このような民間人の突発的、ゲリラ的な行動まで想定して事前に大規模な

警備体制準備することは不可能です。

従って今回の事故の主要因は、

 ① 有名人が突然、街なかに現れた

 ② その情報がSNSで拡散された

 ③ 拡散された情報を見た群衆が現場に殺到した

 

上のいずれも誰でも気軽にやってしまいそうですが、特にSNSの情報は1分以内に

1億人以上に拡散することも不可能ではないくらいの影響力を持っており、

少し前まで私たち人類が経験していなかった大事故が、まだまだ起きる可能性が

あります。

著名なアーティストのゲリラライブも今後は厳に慎んで頂きたいです。

私たち一人一人が事故の一端にならないよう危機意識を高めなければ

防げないのです。

 

事故の数時間前にも「群衆が過密化して危険な状態だ」と何件かの通報があった

ようですが、仮に100人の警察官がすぐに対応したとしても数万人もの群集を

安全に誘導できたかはかなり疑問です。

繰り返しますが、

SNSの情報拡散スピードよりも早く、警備体制を準備するのは不可能です。

 

今回ほど大規模ではなくても群集事故が起きてもおかしくない状況は

他にも無数にあります。

クリスマスイベント/セール、年末年始イベント/セール、初詣、花火大会

新店舗の開店セール、人気の新製品の売出しなど。

いずれも係員が誘導できている場合は安全ですが、ゲリライベントにSNSを見た

大勢が殺到するなど許容量を超えて人が押し合いになっていたら、

群集事故が起きる一歩手前だと思ってその場から離れた方が身のためです。

 

エスカレーターでも何度も人が雪崩れて死傷事故が起きています。

もしあなたの前に高齢者や大きな荷物を持った女性がいたら、広めに間隔を

空けて乗って下さい。

スムーズに降りられず立ち止まったり、まれに転倒する場合があります。

 

車の運転も同じですが、私たちがほんの一瞬でも危機意識を予見できて、

一歩引いた冷静な行動ができれば、防げる事故も多いと思います。

くれぐれもSNSを利用して不特定多数を誘導する言動は慎んで下さい。

その情報を見て突発的な行動を起こす人も、今回のような悲惨な事故を

何度でも繰り返す主要因となる人です。