出来事と話題

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核兵器を超える強大な抑止力 王や天皇の存在意義 エリザベス女王死去

photo バッキンガム宮殿 https://www.photo-ac.com/profile/1006558

つい先日、在位70周年を迎えたエリザベス2世女王が亡くなられました。

遠い異国の、私には何のご縁も無いお方ではありましたが、

なぜか日本国内の要人よりも親近感を感じると言いますか、世界の希望?

のような存在と思っていました。

どうやらそれは私だけではなかったようで、世界中で大きなニュースとなり

多くの献花や弔意が寄せられています。

 

多くの方が語るまさに「母」のように、大きな翼で私たちの世界を

守ってくれていたのかも知れません。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 

70年もの長い年月にはいろいろな変動や事件、苦難もありました。

一時、女王は国民とは一定の「距離感」を保ち、「閉鎖的」と非難された

時期もありました。

 

ですが後半生では方針を一転。

国民に対して度々メッセージを寄せたり、宮殿のバルコニーで惜しみなく

笑顔を見せてくれるようになりました。

英国内だけではなく、海外の要人とも積極的に会話を交わし、寛大で優和な

お人柄が外交面でも大きな貢献をされたことは言うまでもありません。

 

私もウィキペディアで改めて勉強し直したことですが、

女王は英国の君主であるだけではなく、生前までなんと50か国以上もの

連邦国の王とされていたのです。

もちろん各国とも独立した主権国家ですので、法律で君主制を廃止にすれば

例えばパキスタンのように女王はすぐに王ではなくなるのです。

 

エリザベス2世 - Wikipedia

 

少なくともこれまで途絶えることなく50か国以上の国が連邦の絆を保っていた、

私はこの意味を、深く考えさせられることになったのです。

もちろん女王が、日本の天皇のような外交上の「象徴」としての意味合いもある

と思いますが、一方で同連邦内で大きな戦乱が起きなかったことも事実です。

 

「太平洋戦争後に即位されたので時期が良かった」という

見方をされる方もいるでしょう。

ですがそれから10年や20年のお話ではありません。

70年という年月はけして偶然の産物ではないと、せんえつながら

私は断言させて頂きたいと思います。

 

つい近年まで「世界の平和は核兵器による抑止力によって保たれている」

と言われていました。

それが現在はどうでしょう。

いつ核の発射ボタンが押されても不思議ではありません。

私たち人類は日々、緊張と戦乱の真っただ中に置かれているのです。

 

こうなると、核兵器が「抑止力」だと心底、思っている人はさすがに

もういないでしょう。

所詮、「もろ刃の剣」だったのです。

以前の記事にも書きましたが、国連が機能していないことも

現在は、証明された結果となっています。

 

君主を持たないアメリカのような完全民主主義の国は

国政運営では「合理的」と言えますが、近年では、果たして民主主義の

拡大が本当に世界に平和をもたらすのか?

民主主義国が、主義の異なる少数派の国々を駆逐することになったら

それが本当の民主主義と言えるのか?疑問視する世論も高まっています。

 

選挙制度は人類最大の発明とも言えるかも知れませんが、

大昔には有りませんでした。

集落のような小規模な社会の多くは、長老(最年長者)を長(おさ)とし、

次の年長者へ引き継がれ、それでも十分、平和な時代もあったのです。

選挙制度の時代になると、激化し過ぎた得票争いによって不正やゆ着などの

新たな問題や、分断、対立を生み出すようになりました。

 

この世界が平和になるために本当に必要なものとは何でしょうか。

エリザベス女王が人類にもたらしたものとは何でしょうか。

女王の笑顔、握手、気さくな会話、チャーミングとも思える豊かな人間性

女王と一度でも面会した要人は「女王を失望させるような事は出来ないな」

と誰もが感じたはずです。

 

太古から、世界の権力者の多くはまだまだ男性です。

その結果、世界は絶えない戦乱と、地球環境の深刻な危機に迫られています。

ひじょうに乱暴な言い方で申し訳ありませんが、ろくな世界になっていません!

 

筆者の私が男性を代表する訳ではけしてありませんが、男性に「慈悲」や

「博愛」が無いのかと言えば、けしてそんな事はありません。

女性と異なるのは、家族や自国民を守ろうとする男性の本能が強く働き過ぎて

しばしば異常な暴走を起こしている点です。

 

「対立している隣国や連合軍から攻撃されるのではないか」とネガティブな妄想

をどんどん膨らませて、そのストレスが耐えられなくなって戦争を始めてしまう。

男性権力者に多くありがちな暴走パターンです。

幼少期のトラウマにいつまでも捕らわれて、大人になってそのストレスの反動で

事件や争いを起こすのも犯罪者に多く見られる特徴です。

 

ストレスは私たちの日々の生活の中にもありますが、一定の限度を超えると

言葉使いが攻撃的になったり、物に当たったりはよくある事です。

ですが相手に対して物理的な危害を加えるなど、実はトラウマやストレスに弱く

すぐに短絡的、破滅的衝動を起こしやすいのは男性に多い特徴です。

もしもそんな権力者が核のボタンを握っていたら世界はどうなってしまうのか?

と、またネガティブな妄想が膨らんでしまいます。

 

私たち人類は偉大な女王から多くを学び、現代の民主主義からさらに進化、

発展して行けるのでしょうか。

私自身がエリザベス女王の在位中にこの世に産まれたこと、

同じ時代を生きられたことを本当に幸運に思います。