出来事と話題

日々のニュース、出来事からいろいろと考えてみましょう

CO2をガンガン排出しながらも温暖化問題の研究者を手厚く支援する国 真鍋淑郎さんがノーベル物理学賞

f:id:anmor1:20211007031421j:plain

photo 丸岡ジョーさん https://www.photo-ac.com/profile/1405627

世界最高の栄誉ある舞台で、日本人はすっかり常連になりましたね。

同じ日本人として、これほど誇らしく幸せなことはありません。

 

実は私が細々とですが投資を副業としていることもあって

日頃いちばん見ているニュースは経済、産業関連なんですが、

このブログではいつの間にか環境問題の方がだんぜん記事を書いている

ことに最近、気付きました(笑)

 

環境問題でも最も緊急度が高い、CO2排出と地球温暖化の因果関係を

真鍋さんが科学理論を用いて証明した第一人者だったんですね。

世界はようやくCO2削減に向けて一致団結しようという気運が高まってきました。

真鍋さんはまさに「世界を変えた人」ですね。

 

旅行好きな方にはあまり朗報ではないかも知れませんよ。

飛行機であちこち飛び回ることが、大量のガソリンを撒き散らしながら

高級スポーツカーを乗り回す富裕層と同じく、

冷ややかな目で見られる時代がもうそこまで来ていますから。

これからは優雅な列車で国内旅行がもっと流行るかも知れませんね。

 

さてタイトルにも書きましたが、一つ奇妙に思えたことがありました。

真鍋さんは、日本とは比べ物にならない潤沢な研究費と最先端の設備を頼りに

プリンストン大学へ拠点を移されましたが、

アメリカと言えば、未だに低効率な石炭を燃やしまくっている中国に次いで

自らシェールオイルを掘り出してガンガン燃やしている国でもあります。

 

それ以前からも、そもそも中東にちょこちょこ干渉し始めたのも

石油の利権を安定的に得るためでした。

世界の平和を守るために駐留していたのではなく、

石油を中東から輸入する必要がなくなったので、そそくさと退散です。

 

石油が産業を産み、ビジネスを産み、資本を産み、軍事力を産み、

まさに「グレートアメリカ」の根幹そのものだったのです。

前任のトランプ大統領も「化石燃料の使用が地球温暖化を加速しているなんて

でっち上げだ」と言ってパリ協定を脱退したほどです。

バイデン大統領が復帰してくれたので良かったですが。

 

真鍋さんの研究は、そんな石油大国を真っ向から非難する内容だったはずです。

それでも研究に没頭できるだけの十分な好待遇で迎えられたということは、

アメリカ国民の最も根源的な権利「自由」がもたらした恩恵なのでしょうか。

時として自由が行き過ぎて銃犯罪や紛争が多いことも事実なのですが。

 

最近では中国も負けじと優秀な研究者の招致に力を入れているようですが、

もしその研究テーマが「共産主義独裁政権周辺諸国へ与える悪影響と

安全保障上の脅威」だったらどうでしょう?

研究費どころか命さえ危険にさらす片道切符にならなければいいですが。

 

近年、環境対策で最も成果を上げているのはヨーロッパですが、

何十年も前から石油大国だった時代にアメリカはすでに、CO2削減の時代を

迎える「種」を取り込み、手厚く育成していたということになります。

どこよりも早くガソリンエンジンの廃止とEV化への指針を示したのも

アメリカ政府でした。

 

「結果論だよ」というご批判も聞こえてきそうですが、

地球と人類の未来を左右する最も重大な問題に早くから声をあげ、

世界を180度変革へ導いた真鍋さんの研究は、

「自由」がもたらした恩恵と認めざるを得ません。

 

「それでも地球は回っている」と堂々と言える研究者ファーストな環境が

不可欠だったのです。

それこそが「ノーベル賞」が創設された意義ですから。

研究者が政府やスポンサーの顔色に忖度しているようでは、いづれ世界は

一部の権力者による強欲と暴力の底なし沼に沈んでいくでしょう。

 

それにしても日本国内の研究者の環境はかなりの改善が必要ですね。

すぐに商売に結び付きそうな研究は支援するけどそれ以外には金を出さない。

世界が協力して地球と人類の未来を考えようという時代に

日本は未だに戦後の貧乏人根性丸出しです。

日本人が海外で活躍すればするほど「やっぱり日本に居てもダメなんだな」

と確信を深めるばかりですね。

 

真鍋さん、この度は受賞ほんとうにおめでとうございます。

一庶民である私も、温暖化を防ぐ方法をもっと考えてみようと思いました。

 

お読み頂き有難うございます。

ご意見ご感想は下のコメント欄へお願いします。